さる11月2日(土)にめでたくミヤマシジミ研究会を設立いたしました!
ミヤマシジミ研究会は伊那谷にある多くの「守る会」の連携をはかるために作られました。
またそれにともない、セミナーを開催することができました。
当日の様子をすこし紹介したいと思います。
受付
信州大学農学部AFC昆虫研の学生が受付をしてくれました。
会場は信州大学農学部の教室でした。
40名ほど来ていただきました。
会場には「西春近のミヤマシジミを守る会」の岡村裕さんがミヤマシジミのキレイな写真を持ってきてくださいました。
はじめに中村寛志会長よりあいさつ。
会が正式に発足されました。
会長 中村寛志(信州大学農学部)
幹事
飯島守る会 林公明
辰野生きものネットワーク 土田秀実
横山地区ミヤマシジミを守る会 中村新一
西春近ミヤマシジミを守る会 岡村 裕
事務局長
江田慧子(信州大学山岳科学総合研究所)
監査
伊那市耕地林務課
つぎに信州大学理学部の藤山静雄先生により、基調講演が行われました。
藤山先生はホタルの保全研究をされており、松本でホタルの保護活動を積極的に行っております。
なぜ生物を保全するべきなのか。
地域を守るべきか、種を守るべきなのか。
分かっていそうであまり理解できないていないことを大学の講義のように教えて下さいました。
会場からも勉強になったとのお声をいただきました。
次にパネルディスカッションです。
コーディネータは江田が務めさせていただきました。
左から
林公明さん(飯島守る会(仮称))
土田秀実さん(辰野いきものネットワーク)中村新一さん(横山地区守る会)
岡村裕さん(西春近ミヤマシジミを守る会)
富山裕一さん(伊那市耕地林務課)
市村敏文さん(長野県自然保護課)
それぞれの会での活動報告をしました。
また会場には 天竜川上流河川事務所 伊那出張所の加藤所長や長野県環境保全研究所の須賀丈研究員、そして鱗翅学会信越支部長の井原道夫さんなどもご来場いただき、大変有意義な会となりました。
今後もそれぞれの会の活動が中心となりますが、定期的に意見交換を行い、来年にはシンポジウムを開催したいと思います。
これからもミヤマシジミと研究会をよろしくお願い致します。
信州大学山岳科学総合研究所
江田慧子
ミヤマシジミ研究会の設立、本当にめでたいです。
返信削除私はシジミチョウの中でもブルーが好きなのですが、この地にオオルリシジミ、アサマシジミは既におらず、ミヤマシジミがいなくなれば、次はヒメシジミがいなくなるでしょう。今なら、まだ間に合うと思います。みんなで頑張りましょう。
>axさん
削除ご覧いただきありがとうございます。ミヤマシジミはまだ大丈夫です。でも少なくなってからでは遅いと思います。オオルリシジミ、アサマシジミの二の舞にならないように、今度は地元で守る環境と組織を作っていきたいと思います。
江田先生
返信削除軽妙で的を射た司会でとてもよかったと思います。
中村先生
行政と住民との距離をより縮めて下さりありがとうございます。
藤山先生
講演された中で
・手を掛け過ぎない
・特定の生き物だけを保護するといった考えはよくない。
との言葉は特に印象に残りました。
辰野 土田さん
荒神山公園でのミヤマシジミの復活には是非成功して欲しいと
思います。看板の「草が伸びていますがお許しください」との
文言に感心しました。
横山 中村さん
ミヤマシジミの保護だけでなく小学校の児童との交流も積極的
に行っているとのこと、益々のご発展を祈ります。
ますみケ丘霊園の中のミヤマシジミも一緒に守っていければと
思います
飯島 林さん
あと10日の命と宣告されたことがあったそうですが、コマツナギ
だけでなく植物全般の保全に力を注いでおられる姿を見るとま
だまだお元気で活躍されることと思います。もうオオルリシジミ
は見ることはできないと思いますが、クララは絶やさず育ててい
って欲しく思います。
岡村 裕
>岡村さん
返信削除コメントありがとうございます。小さな活動ですが、ミヤマシジミは見ていてくれることでしょう。これからも力を合わせて頑張っていきましょう。
またブログに投稿する記事や写真等があれば送ってください。よろしくお願い致します。
伊那市上牧 大村と申します。
返信削除先日の研究会総会とパネルディスカッションに参加させて頂きました。
私が伊那市の当地に住み始めて20年ほどになりますが、10年ほど前までは自宅庭木の花にミヤマシジミが時折訪れてくれていました。絶滅危惧種とは知らずにおりました。
最近は全く見かけなくなりましたが、今年の9月に久しぶりに飛び古した個体を見つけました。まだ、この地に細々と生息しているようでした。どこにコマツナギが自生しているかわかりませんが。
総会の翌日、飯島町のY夫婦からコマツナギを数株分けていただきました。飯島町では田畑の畦にかなり普通にコマツナギがあるようでした。でもY夫婦のご自宅周辺のコマツナギの自生地ではミヤマシジミを見たことがないそうです。いただいた株は近くの斜面に植えておきました。来年、ミヤマシジミが付いてくれればいいのですが・・。そして本来の自生地(コマツナギの発生場所)も探してみようと思っています。
富県区新山にもミヤマシジミは生息しています。こちらはコマツナギの花などに集まり、幼虫なども見られました。しかし、非常に小さな一画です。人が気が付かずに手を入れたら、そこでのミヤマシジミはいっきに絶えてしまいそうでした。
Yさんから聞かれましたが、ミヤマシジミはコマツナギに産卵し、そこで越冬するわけですが、冬期間に行う畦焼きはミヤマシジミにとってはどのような影響があるのでしょうか?行わない方がよいのでしょうか?
>大村さん
返信削除先日は来ていただいてありがとうございました。
ミヤマシジミはおっしゃるとおり卵で越冬します。越冬卵はコマツナギではなく、地面に石などに産卵して、冬を乗り切ろうとします。
普通の土手焼きには耐えられると思いますが、過度な野焼きは死亡率が高くなると考えられます。
またコマツナギは近年「在来」と「外来」が存在し、ミヤマシジミは在来コマツナギを食草としていますので、そこはご注意ください。
江田慧子
江田先生
返信削除ありがとうございます。
コマツナギは在来だと思います。いただいた株は飯島の林さん(飯島守る会)譲りの株だと思いますので。
暖かな今日の午前、自宅近く田畑の土手を歩いてみましたが、自生のコマツナギは見つかりませんでした。さすがにこの頃となると見つけにくくなりますね。
>大村さん
削除飯島の林さんなら大丈夫ですね。
コマツナギが植栽してすぐは涸れてしまいますが、来春に芽がでます。
来年はぜひミヤマシジミを探してみてください!
江田慧子