2020年5月26日火曜日

ミヤマシジミ初見の報告

長野県の上伊那地方で今年初めて見られたミヤマシジミ成虫の報告です.
岡村裕会員から
 日時:5月22日(金)午前10時半ごろ
 場所:天竜川右岸下牧の保護地
オス・メス各1頭,わずかに咲いたアカツメクサにとまりました。ここでの過去の初見日は,2018年が5月19日,2019年が5月18日でした.今年は暖冬でギフチョウなどの出現が早かったのですが,ミヤマシジミはほぼ例年通りでした.

ミヤマシジミ♀と♂ 天竜川下牧保護地
2020年5月22日 岡村撮影
中村・土田会員から
 日時:5月26日(火)午前11時半ごろ
 場所:伊那市 
オス,メス各1個体.羽化したばかりの新鮮な個体でした.

ミヤマシジミ♀ 伊那市
2020年5月26日 中村撮影

ミヤマシジミ♂ 伊那市
2020年5月26日 中村撮影

2020年5月20日水曜日

静岡からミヤマシジミの報告

ミヤマシジミ♂ The Reverdin's Blue 
Lycaeides argyrognomon 
Shizuoka Pref. Japan  May 5, 2020  Photo by Sasaki

ミヤマシジミ研究会会員の静岡県磐田市の佐々木逸郎さんからミヤマシジミ初見の報告が来ました.以下「 」内は,佐々木さんのメールより 
「天竜川河川敷にミヤマシジミの初見に行ってきました。 5月2日は空振りでしたが、5日(♂3、♀0)、8日(♂3、♀1)は会うことができました。良かったです。天気もよく気温も高かったので期待してましたが、思ったより少なかったです。4月に寒い日があったのでその影響かもしれません。」

ミヤマシジミ♀
Shizuoka Pref. Japan  May 8, 2020  Photo by Sasaki

静岡県天竜川河畔のミヤマシジミ保護区
「オス3頭を見つけました」
May 17, 2020  Photo by Sasaki
「5月17日に生息地に再訪しましたが、
朝8時前から飛んでいて10時前
までにオス9頭、メス2頭見ました」
May 17, 2020  Photo by Sasaki














静岡県天竜川河畔のミヤマシジミ保護区は,昨年7月9日に私たちミヤマシジミ研究会会員も訪問しました.また昨年のミヤマシジミ・サミットでも天竜高校の加藤秀世先生からレポートがあったところです.
浜松市天竜川河畔のミヤマシジミ保護区
2019.9.1の荒神山ミヤマシジミ観察会での土田秀実会員の
「浜松市天竜川河畔のミヤマシジミ報告」スライドより

以下,佐々木さんの写真を紹介します.
May 5, 2020  Photo by Sasaki
May 8, 2020  Photo by Sasaki











May 5, 2020  Photo by Sasaki

2020年4月18日土曜日

ギフ・ヒメギフチョウの調査ルート「塩の道」The Solt Road

カタクリの花とヒメギフチョウ(2020/4/17)
 Luehdorfia puziloi visiting the flower of Erythronium japonicum

新型コロナウイルスの影響で,本日(4月18日)計画されていた小谷村のギフ・ヒメギフチョウ観察会は中止.ミヤマシジミ研究会では平成26年以来,小谷村のギフ・ヒメギフチョウの調査を行っています.毎年観察会の様子をアップしていますが,今年はかわりに調査ルートの「塩の道」のスナップを紹介します.

塩の道の石仏群
Stone images of the Buddha standing alone the Solt Road.
In old times people  conveyed the solt from Japan Sea to inland along the Solt Road

木で彫られた道祖神
Doso-shin (Taoist Gog) 
大網峠越え道標
Guidepost to Ohami Pass











 塩の道とは、海または、川舟の終着から内陸地へと、塩が運ばれた道の通称である。松本~糸魚川までの、塩の道は、途中の小谷村千国宿から名が由来し、千国街道と呼ばれている。「塩の道=千国街道」と解釈されるようになったのは、その道筋に、古道がそのままの姿を残す景色が残っているからと思われる。
 大網峠越えは、高度差があること、積雪が多く、積雪期は、牛が使えずに、人の背に頼るだけであった。人里はなれている、峠越えの塩の道には、当時の面影を伝える、石仏、牛の水飲み場、ウトウなどがあり、当時を偲ぶコースとして歩くことができます。( 古道 塩の道 千国街道より http://www.fumoto.info/ 引用)

 まだ肌寒い塩の道で見かけた生きもの

成虫で越冬し,春先から現れてなわばりを張るテングチョウ
Libythea celtis
キクザキイチゲ キンポウゲ科イチリンソウ属 
3~5月 特徴 山地の落葉樹林内に見られる多年草で,
分布は北海道,本州(近畿地方以北)花茎は高さ10cmほど.
Anemone pseudo-altaica

雨飾山(1963m) 校庭のサクラは満開
Mt Amakazari and Cherry blossoms in full bloom
ヒメギフチョウ
Luehdorfia puziloi

六地蔵 毎年ギフチョウとヒメギフチョウが飛び交うのを眺
めている.六地蔵は火葬場があった場所に祀わられている
ことが多いといわれている.
Jizo, the guardian deity of children is the most popular Buddha
 in Japan, we can see on the roadside.
Six Jizo sometimes indicates the cremation place in the past.

2020年3月12日木曜日

「ミヤマシジミの保全活動と高齢者」の論文がNew Entomologist誌に掲載



ミヤマシジミ研究会が2018年度長野県科学研究費の助成を得て実施したミヤマシジミの保全活動と高齢者の精神と健康の関係を,精神健康調査票(General Health Questionnaire-30; GHQ30)を用いて評価した論文が,信州昆虫学会のNew Entomologist誌に掲載されました.
 論文は,GHQ調査の結果ミヤマシジミ保全活動が,高齢者の精神や健康の状態に好影響を及ぼしていると考えられるという結論が得られたことを報告したものです.我々の活動に一層の励みになる結果でした.
 以下に,論文の一部を紹介します.別刷りまたはpdfファイルをご希望の方は,会長の中村まで,メールでお申し出ください. あどれす:insect2@shinshu-u.ac.jp



ミヤマシジミと研究の流れを示した図


信州昆虫学会の学会誌New Entomologist


2020年2月4日火曜日

第8回環境展



上伊那広域クリーンセンター保護区のミヤマシジミ

 私たちミヤマシジミ研究会は,伊那市の協力をえて伊那谷地域で,ミヤマシジミの保全・保護活動を行っています.その活動の一環として,平成24年から毎年,市役所ロビーで環境展を行っています.第8回目の今年度は「みんなの手で小さな生きものを守ろう」をテーマに,環境アセスメントによって守られた三峰川クリーンセンターのミヤマシジミ個体群と那須野雅好氏提供によるチョウの美しい写真を展示するとともに,ミヤマシジミ研究会の活動も紹介いたします.

日時 令和2年2月4日(火)~14日(金)  
場所 伊那市役所ロビー   先着30名に美しいチョウの絵葉書をプレゼント
第8回環境展のチラシ

ミヤマシジミの生態とクリーンセンター保護区の解説のパネル

綺麗に出来上がったクリーンセンター保護区の写真
展示物
 写真・パネル
        *ミヤマシジミの生態写真  
  *三峰川クリーンセンターのミヤマシジミ個体群 
  *那須野雅好氏提供によるチョウの写真 
  *伊那西小学校のチョウ


那須野雅好氏提供によるチョウなど美しい写真15点 

伊那西小学校のチョウの楽園つくりを紹介
標本
  *ミヤマシジミの標本
        * 高山蝶    

ぜひ足を止めて貴重な絶滅危惧種のチョウと保護活動をご覧ください.
スタッフ一同お待ちしております

2019年10月21日月曜日

ミヤマシジミ・サミット2019の報告 


2019年度のミヤマシジミ研究会の講演会・研究発表会は,ミヤマシジミ・サミット2019と銘打って開催されました。 

 ミヤマシジミ研究会は,身近な自然環境を大切にし,絶滅危惧種の保全に関心のある人々が集まり,みんなで里山の小さな命を守っていく活動を行っています.その一環として毎年,講演会と活動報告会を開催しています.2019年度は全国にあるミヤマシジミの保護や研究に係わっている団体が,平成311019日(土),長野県塩尻市塩尻総合文化センターに会して,情報と意見交換を行いミヤマシジミの保全活動を全国に発信していくためにミヤマシジミ・サミットを開催しました.


1部 「第1回ミヤマシジミ会議」10時30分~1200


 全国にあるミヤマシジミの研究会や保護団体,関係機関,企業が一堂に会して,各地域の現状や保全活動のあり方等の情報と意見交換を行い,大会宣言案を作りました.ここではミヤマシジミの食草であるコマツナギの管理の仕方などについて議論がなされました.また保全団体と行政機関とが綿密に連絡取り合うことが確認されました.

第1部「第1回ミヤマシジミ会議」 会議開催を告げる
ミヤマシジミ研究会幹事の土田秀実幹事(辰野いきも
のネットワーク会長)(中央)右は小林正征幹事(ミ
ヤマ株式会社)左は中村寛志会長

サミットの趣旨説明をする中村会長
















参加した団体
伊那市ミヤマシジミを守る会 
辰野いきものネットワーク
上牧里山づくりの会
 糠地郷蝶の里山プロジェクト
 新潟県十日町水辺の楽校 
 天竜川上流河川事務所
 伊那市役所耕地林務課 
 長野県自然保護課
 山梨県富士山科学研究所    
 静岡県立天竜高等学校
ミヤマ株式会社



  

2部 「ミヤマシジミセミナー」
「幸せを運ぶ青いチョウ“ミヤマシジミ”について学ぼう」
午後の部は「幸せを運ぶ青いチョウ“ミヤマシジミ”について学ぼう」テーマでのセミナーが一般公開で行われ,約60名もの参加者があった.まず最初に信州大学理学部教授東城幸治先生の基調講演「DNA解析による昆虫のルーツ」があり,DNA解析を使った昆虫の系統分類について易しくて興味あるお話があった.
第2部ミヤマシジミセミナー開催直前.
60名近くの多くの参加者があった.











中村会長の開会挨拶
(東城先生講演要旨)私たち生きものたちは例外なくDNAを基盤とする遺伝情報をもち、親から子、子から孫へと、代々受け継がれていきます。そのような生物の遺伝情報は、それぞれの生物の歴史(進化史)を紐解くことにも大きく貢献します。「遺伝子」や「DNA」、「遺伝系統」などの専門用語は、難解なものとしてイメージされがちですが、「あの家系は音楽の才能がある、絵が上手、スポーツが得意」などと同様に捉えることができ、「遺伝系統」は「家系」や「血筋」と捉えると身近に感じられると思います。本講演では、信州の昆虫に焦点を当て、その遺伝子解析研究から明らかになった進化史を紹介するとともに、生物多様性の観点から、信州は世界的にも重要な地域(ホットスポット)であることをお伝えしたいと思います。


東城幸治先生(信州大学理学部教授)による
基調講演「DNA解析による昆虫のルーツ」

続いて,中村寛志会長から「ミヤマシジミの研究と保全活動の報告」があった.その中で昨年の長野県科学研究費による「高齢者の健康と生きがいの評価」についての研究において,ミヤマシジミの保全活動に参加している高齢者は,参加していない人よりも心身ともに健康であったという結果が報告された.
長野県科学研究費による研究概要.報告のスライドから

中村会長による「ミヤマシジミの
研究と保全活動の報告」













休憩をはさんで,パネルディスカッションでは,以下の6人の方による活動報告がなされた.
北原正彦氏(山梨県富士山科学研究所)の報告
山梨県のミヤマシジミの分布と変遷:
その危機的現況について





発表スライドから 
白州のミヤマシジミ


高橋洋一氏(十日町水辺の楽校)による
水辺の楽校と信濃川のミヤマシジミについて」の報告

加藤秀世氏(静岡県立天竜高等学校)による
「静岡県立天竜高等学校環境科のミヤマシジミ保護活動」の報告
横尾 早衣子氏(ミヤマ株式会社)による
ミヤマ株式会社のミヤマシジミ保護活動について」



発表スライドから
産卵試験の様子












内山輝美氏(伊那市耕地林務課)による
昆虫の採集・観察会の活動報告」



発表スライドから
ミヤマシジミ脱出ゲーム










千賀義博氏(伊那西小学校)による
     「 伊那西小学校のミヤマシジミ保護活動について」の報告
コメンテーターの那須野雅好氏(安曇野市教育委員会)
による活動報告についてのコメント













コメンテーターの東城幸治先生による総評














最後に中村会長によって午前中のミヤマシジミ会議で作成された大会宣言案が読み上げられ,参加者全員の拍手で大会宣言が採択され,ミヤマシジミ・サミットは大成功のうちに終了しました.
大会宣言を参加者全員で採択

 「ミヤマシジミ・サミット2019」大会宣言 

今,地球上の生物多様性が,我々人間の営みによって減少しつつあります.そのなかでも里山に住む身近な生きものに,我々の生活様式の変化によって絶滅の危機が迫りつつあります.ミヤマシジミはかつて東日本を中心に河原や草原,田畑の土手などに広く分布していました.しかし,食草であるコマツナギが少なくなり,生息地が急激に減少してきました.そのため環境省レッドリストで絶滅危惧II類であったのが,2012年にはIB類にランクアップして絶滅の危機が増しています.
そこでミヤマシジミ研究会は,昔から里山で人間と共存して生活してきた小さな青いチョウ,ミヤマシジミをみんなで守っていくために「ミヤマシジミ・サミット」の開催を企画しました.本サミットにおいて,ミヤマシジミの保全に関する活動の基本方針を皆さんと共有したいと思います. 
Ⅰ ミヤマシジミの保全に関する活動の基本方針
(1) ミヤマシジミ保全の基本方針として,まず第1に,私たちは少なくなったミヤマシジミの生息地と生息環境を保全していく活動をおこなって行きます.次いで食草のコマツナギを植栽して保護区を設け,ミヤマシジミの生息地を増やしていく活動をおこなって行きます.さらに,保全活動に役立てるために,ミヤマシジミに関する様々な研究を進めていきます. 
(2) 保全活動を行っている人々の交流と情報交換を図り,それぞれの地域で活動が活性化するよう努めます.そのため皆で協力して,ブログやSNSなどを利用したネットワーク化を進めていきます. 
(3) ミヤマシジミを多くの人に知ってもらうことが保全の第一歩であると考えます.そこでシンポジウム,セミナー,環境教育の実施や,出版物,関連商品の開発を行い,ミヤマシジミを含めた生物多様性保全活動の普及に努めます. 
Ⅱ ミヤマシジミ保全 宣言
 私たちは,ミヤマシジミとミヤマシジミが生息する環境を保全するために,上で述べた「ミヤマシジミ保全に関する基本方針」に沿って,各々の立場でできることを積極的に行っていきます.さらに私たちは,この活動を進めるとともに,多くの人に伝え,広めていくことによって,ミヤマシジミとその生息環境,さらには多様な生き物に満ち溢れた美しい地球環境を次世代に残していくことを宣言します.

2019 10 19
ミヤマシジミ・サミット出席者一同
*会場スナップ
ミヤマシジミの写真を展示







受け付けの準備











*ミヤマシジミいい写真