2014年12月10日水曜日

ミヤマシジミ研究会シンポジウム・総会を盛大に開催

2014年12月6日に,ミヤマシジミ研究会のシンポジウムと総会を信州大学農学部30番大講義室で盛大に開催しました。

  講演1は「山梨県におけるミヤマシジミの研究と保全活動」と題して,富士山自然保護センター理事の渡邊通人さんが,山梨県内におけるミヤマシジミの分布の変遷の概要,ミヤマシジミの河川環境生息地での生態調査と保全,アリ類との共生関係について,特にクロオオアリの特定の個体との密接な共生関係の発見について興味ある話をしていただいた。


 講演2では「安曇野における希少種保全と環境教育への取り組み」と題して,安曇野オオルリシジミ保護対策会議代表の那須野雅好さんが,安曇野市版のレットデータブックが完成したこと,安曇野市におけるオオルリシジミの保護活動,また「三郷昆虫クラブ」を立ち上げ、昆虫少年を育む活動に取り組んできたことについて熱く語っていただいた。




翌日の信濃毎日新聞にも紹介された。信毎WebのURLです。


http://www.shinmai.co.jp/news/20141207/KT141206SJI090013000.php



那須野雅好さんの講演風景。
シンポジウムに参加した人数は,ミヤマシジミ研究会会員や一般の方,信州大学農学部の学生含めて126名もの多数であった。これはミヤマシジミ研究会の活動が地域に広がり理解を得てきたこととの証明であろう。


第2部の活動報告とフロアディスカッションでは ,長野県と伊那市,およびミヤマシジミ研究会に加盟している各団体,信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室から報告があった。

 長野県自然保護課(山崎 明課長)
 伊那市耕地林務課(柿木淳一課長)
 辰野生きものネット(土田秀美会長)
 横山ミヤマシジミを守る会(中村新一会長)
 伊那ミヤマシジミを守る会(岡村 裕会長)
 飯島ミヤマシジミを守る会(林 公明さん)
 信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室(加藤大輝さん)

またこのシンポジウムで新規に加入した2つの団体からの報告もあった。
 ふる里再生水車を楽しむ会(北原光明会長)
 上牧里山づくりの会(大野田文吉会長)


 長野県自然保護課の山崎 明課長は自然資本の重要性を強調


 辰野生きものネットの土田秀美会長の手作りの活動報告


新規加入のふる里再生水車を楽しむ会の北原光明会長も会の紹介


最後に平成26年度総会を以下のように開催して,今年度事業・予算報告,平成27年度の役員,事業計画などを決めた。
  1.会長挨拶 中村寛志
  2.議事
     (1)規約改正 別紙1
     (2)会員承認 別紙2
     (3)部会新設
         会則第8条にもとづき「生物多様性研究部会」を設置
         部会長 中村寛志
         部員  江田慧子,土田秀美,小野 章,加藤大輝
     (4)H26年度事業報告,予算報告 別紙3
     (5)H27年度役員案,事業・予算案 別紙4
     (6)その他

懇親会は近くの福満楼で中華料理を囲みながら,本研究会の目的の一つであるミヤマシジミに係わっている人々の交流を深めた。



2014年11月11日火曜日

シンポジウム・総会の案内(2014年12月6日)

2014年12月6日(土)

ミヤマシジミ研究会シンポジウム・総会を開催します


『ミヤマシジミを通して生き物と人が豊かに生きる絆を広げよう』
趣旨

 現在、「生物多様性」の保全が世界中で叫ばれています。世界では国際NGOコンサベーション・インターナショナル (CI) は2005年に、地球規模で生物多様性が高く、かつ破壊が進んでいる34の地域を、「生物多様性ホットスポット」として発表しました。そのうちの1つとして、日本列島全体が指定されています。これは、日本の自然環境や生き物が非常に貴重であると同時に、将来的に保全していくことが現状では非常に難しいということを示しています。維管束植物を対象とした調査では、日本のなかでも特に長野県とその周辺地域に、維管束植物の固有種が多く確認されています。また、分類群の全体像がよく知られているチョウ類は、県内で149 種の生息が確認されており、全都道府県の中で最も多い種数となっています。長野県はホットスポットの中のホットスポットと言えます。
生物の絶滅の危機は急激に加速しており、ミヤマシジミも例外ではありません。そこで、ミヤマシジミ研究会では平成26年度の総会にあわせて,ミヤマシジミ研究者として著名な富士山自然保護センター理事の渡邊通人氏とオオルリシジミ保全や環境教育に尽力なさっている安曇野オオルリシジミ保護対策会議代表の那須野雅好氏にご講演を頂き,ミヤマシジミをはじめとする里山の生き物を守っていくシンポジウムを企画いたしました。
 研究会の会員のみならず環境保全にかかわっておられる方,また生きものの生態や保全・保護に関心のある方はぜひご参加ください。

                   ミヤマシジミ研究会 会長 中村寛志
 
内容
マーキング調査中(2014年7月22日)

Ⅰ.シンポジウム
行事名:ミヤマシジミを通して「生き物と人が豊かに生きる絆」を広げよう
会場:信州大学農学部 30番大講義室
日時:平成26年12月6日(土) 
          13時から16時15分まで
参加料:無料・事前申し込み不要 
主催:ミヤマシジミ研究会
共催:信州大学農学部
後援:長野県,伊那市,朝日新聞長野総局,信濃毎日新聞

プログラム
13:00-13:10 趣旨説明
13:10-13:50 講演1 渡邊通人(富士山自然保護センター理事)
          演題:山梨県におけるミヤマシジミの研究と保全活動
13:50-14:30 講演2 那須野雅好
                 (安曇野オオルリシジミ保護対策会議代表)
          演題:安曇野における希少種保全と環境教育への取り組み
14:30-14:45 休憩
14:45-15:45 活動報告
          ミヤマシジミを保護している研究会の部会からの活動報告
15:45-16:15 フロアディスカッション

Ⅱ.ミヤマシジミ研究会総会
16:20-16:30 会長挨拶 中村寛志
16:30-16:50 総会
 規約改正,会員承認,部会新設,H26年度事業報告,H27年度事業計画,予算案承認ほか

Ⅲ.懇親会
17:50-19:50 懇親会

問合せ・申し込み先
信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室内
 ミヤマシジミ研究会  代表 中村寛志
〒399-4598 長野県上伊那郡南箕輪村8304
電話&ファックス:0265-77-1400
Eメール:insect2@shinshu-u.ac.jp


新しくできたミヤマシジミの保護区(信州大学農学部構内)


上の保護区に飛来したミヤマシジミのメス。
産卵行動が観察された。(2014年7月31日)
文献紹介
信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室がミヤマシジミについて研究した文献です。httpsからダウンロードできます。

尾﨑絵理・江田慧子・中村寛志 (2012)  絶滅危惧種ミヤマシジミの飼育方法について.  信州大学農学部AFC報告 (10): 153-159.
中野貴洋・江田慧子・中村寛志 (2011)  信州大学農学部構内における絶滅危惧種ミヤマシジミの個体群回復実験. 信州大学農学部AFC報告 (9): 39-48.




2014年7月5日 ミヤマシジミ研究会幹事会

ミヤマシジミ研究会の幹事会を開催


2014年7月5日(土)午後6時から信州大学農学部演習林棟3階会議室にて幹事会を開催しました。 

議事 以下の7項目について意見を交わしました。

1.各会からの活動報告
  横山ミヤマシジミを守る会(中村新一),西春近ミヤマシジミを守る会(岡村 裕),飯島町ミヤマシジミを守る会(欠席),辰野いきものネットワーク(土田秀実),信州大学農学部(加藤大輝),伊那市耕地林務課からの活動報告
2.会則改正案
3.H26年度の活動計画
4.会員名簿
5.予算案
6.補助金申請(別紙3)
7.その他(会費について)

3番目の議事である平成26年度の活動計画として以下の内容を承認しました。

例会は12月頃を予定,ミヤマシジミ研究者を招いてシンポジウム
*長野県山岳環境フォーラムへの参加 
*ミヤマシジミ研究会ブログ発信と内容充実
*研究会通信 事務局が発行→各支部へ発送 年2回
*ミヤマシジミの調査・研究活動 
*部会の設置 ミヤマシジミ以外の絶滅危惧種や伊那谷の生物多様性の保全研究活動を行うための「生物多様性研究部会」部会長:中村寛志の設立

6月26日の保護活動を紹介します。

伊那市細萱保護区 西春近ミヤマシジミを守る会の岡村さん(左)とシンポジウムAFC昆虫生態学研究室の学生たち
細萱保護区で定着したミヤマシジミ(メス)

信州大学農学部のミヤマシジミ保護区
コマツナギの移植中

シンポジウム開催(2014年3月6日)

2014年3月8日(土)にミヤマシジミ研究会主催のシンポジウム
「生き物と人が豊かに生きる「絆」づくり」を開催しました。

次の日の朝日新聞には,「里山から失われつつある生物多様性を保ちながら,生きものと人が共存できる社会作りを考えるシンポジウムが8日,安曇野市の豊科交流学習センターであった。自然保護団体の約150人が参加。・・・シンポは,伊那谷に生息するチョウで,環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている「ミヤマシジミ」を調査する「ミヤマシジミ研究会」(会長=中村寛志・信州大学農学部教授)が主催。同大の笹本正治副学長と,大阪府立大の石井実副学長とが講演した」と紹介されました。

大阪府立大の石井実副学長の講演人と蝶との関わりについて

        活発な意見が出たフロアディスカッション
(右から中村寛志会長,笹本正治信州大学副学長.石井実大阪府立大副学長)

ロビーにはミヤマシジミの標本やパネルを展示

2014年2月25日火曜日

パンフレットができました!

伊那谷は雪もだいぶなくなり、穏やかな日々に戻りました。


ミヤマシジミ研究会では、ミヤマシジミのシーズンに備えて、「ミヤマシジミのパンフレット」を作成致しました!



ミヤマシジミの生態や発育段階の特徴、他のシジミチョウとの見分け方、さらに保護区の作り方などを3つ折りパンフレットにまとめました。


ミヤマシジミの保全や環境教育に使いたいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。
お分け致します。

事務局 江田慧子

2014年2月17日月曜日

シンポジウム予告

こんにちは☆

ミヤマシジミ研究会では、地域の皆様と自然保護を考えるためのシンポジウムを開催することとなりました。

事業名:生き物と人が豊かに生きる「絆」づくり
日時:平成26年3月8日(土)13時00分~16時30分
場所:豊科交流学習センター「きぼう」
内容・趣旨:
自然保護に関わりの深い著名な2名の講演会を第一部に行い、多くの市民に信州の生物多様性について正しく理解し、考える機会とします。
第二部では、長野県にある自然保護団体のフロアディスカッションを行い、交流・連携の機会とします。
主催:ミヤマシジミ研究会
共催:信州大学地域戦略センター、長野県(自然保護課

参加料 無料

日程:
12:30 開場
13:00 開会・趣旨説明 中村寛志(ミヤマシジミ研究会会長・信州大学農学部教授)

13:10 講演1
石井 実(大阪府立大学副学長)
「里山の自然と保護-日本的な生物の宝庫をどのように守るか-」

13:50 講演2
笹本正治(信州大学副学長・地域戦略センター長)
「自然の恵みに生きる人間-天空と地上を結ぶ信仰を通して-」

14:30 休憩

14:45 フロアディスカッション
自然保護に携わるみなさまから、活動の紹介・報告をしていただきます。

16:20 議論のまとめ

16:30 閉会

司会:江田慧子(ミヤマシジミ研究会事務局長、信州大学山岳科学総合研究所)



ミヤマシジミのみのテーマではなく、生き物と人が共に暮らすために、皆様で一緒に考えることをテーマとしました。
蝶ではなく、植物に関する活動をされている方でももちろん大歓迎です。
皆様、ぜひ会場へお越しください!
多くの人と交流できることを楽しみにしております。

ご質問がありましたら、チラシの「問い合わせ先」へご連絡ください。
またこのブログのコメント欄からでも結構です。

江田慧子