講演1は「山梨県におけるミヤマシジミの研究と保全活動」と題して,富士山自然保護センター理事の渡邊通人さんが,山梨県内におけるミヤマシジミの分布の変遷の概要,ミヤマシジミの河川環境生息地での生態調査と保全,アリ類との共生関係について,特にクロオオアリの特定の個体との密接な共生関係の発見について興味ある話をしていただいた。
講演2では「安曇野における希少種保全と環境教育への取り組み」と題して,安曇野オオルリシジミ保護対策会議代表の那須野雅好さんが,安曇野市版のレットデータブックが完成したこと,安曇野市におけるオオルリシジミの保護活動,また「三郷昆虫クラブ」を立ち上げ、昆虫少年を育む活動に取り組んできたことについて熱く語っていただいた。
翌日の信濃毎日新聞にも紹介された。信毎WebのURLです。
http://www.shinmai.co.jp/news/20141207/KT141206SJI090013000.php
那須野雅好さんの講演風景。
シンポジウムに参加した人数は,ミヤマシジミ研究会会員や一般の方,信州大学農学部の学生含めて126名もの多数であった。これはミヤマシジミ研究会の活動が地域に広がり理解を得てきたこととの証明であろう。
第2部の活動報告とフロアディスカッションでは ,長野県と伊那市,およびミヤマシジミ研究会に加盟している各団体,信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室から報告があった。
長野県自然保護課(山崎 明課長)
伊那市耕地林務課(柿木淳一課長)
辰野生きものネット(土田秀美会長)
横山ミヤマシジミを守る会(中村新一会長)
伊那ミヤマシジミを守る会(岡村 裕会長)
飯島ミヤマシジミを守る会(林 公明さん)
信州大学農学部AFC昆虫生態学研究室(加藤大輝さん)
またこのシンポジウムで新規に加入した2つの団体からの報告もあった。
ふる里再生水車を楽しむ会(北原光明会長)
上牧里山づくりの会(大野田文吉会長)
長野県自然保護課の山崎 明課長は自然資本の重要性を強調
辰野生きものネットの土田秀美会長の手作りの活動報告
新規加入のふる里再生水車を楽しむ会の北原光明会長も会の紹介
最後に平成26年度総会を以下のように開催して,今年度事業・予算報告,平成27年度の役員,事業計画などを決めた。
1.会長挨拶 中村寛志
2.議事
(1)規約改正 別紙1
(2)会員承認 別紙2
(3)部会新設
会則第8条にもとづき「生物多様性研究部会」を設置
部会長 中村寛志
部員 江田慧子,土田秀美,小野 章,加藤大輝
(4)H26年度事業報告,予算報告 別紙3
(5)H27年度役員案,事業・予算案 別紙4
(6)その他
懇親会は近くの福満楼で中華料理を囲みながら,本研究会の目的の一つであるミヤマシジミに係わっている人々の交流を深めた。