絶滅危惧種を保全するためには,生息地で保全する生息域内保全と生息地の外で絶滅危惧種のDNAを確保しておくための生息域外保全の2つの方法がある.
ミヤマ株式会社の保護区は,環境教育と生息域外保全を進めていくためにミヤマシジミ研究会と共同で2016年7月8日に本社敷地内にコマツナギを植栽したもので,ミヤマシジミの保全活動をスタートとなった.
今回,実際にこのコマツナギ植栽区にミヤマシジミを移植させるために必要な技術をマスターすることを目的に,2017年7月28日にミヤマシジミ移植手法講習会を実施した.
コマツナギに網掛けをして成虫に産卵させる手法を説明 するミヤマシジミ研究会の岡村裕幹事 (ミヤマ株式会社の保護区) |
網掛けしてメスをうまく放せて喜ぶ女性社員 |
講習した移植方法は,野外のコマツナギに網掛けをして産卵させる手法と室内でできる リシャール法による強制産卵手法である.講習会は,ミヤマ株式会社の保護区で網掛け産卵のセットをしてから,室内で中村寛志会長による講義「三峰川保護区の移植試験と飼育方法」があり,次いでリシャール法の実習があった.
リシャール法のセットを説明 1時間で10個の卵を産卵した. |
リシャール法で産卵された ミヤマシジミの卵 |
今回の講習会では,野外の網掛けは4メスで20卵(10,5,4,1個),またリシャール法では1個体で10個の卵が産卵された.この講習会を活かして,ミヤマ株式会社の保護区にミヤマシジミが飛び交う日をが楽しみです.
また今回は,ミヤマシジミ成虫を提供いただいた小諸の宮坂繁氏には大変お世話になりました.
(中村寛志)
中村先生 わずか1時間余の間に20個の卵を産んでくれたミヤマちゃんに感謝です。予想以上でした。ミヤマ株式会社の多くの社員の皆さんと一緒に移殖作業を楽しむことができ、嬉しく思います。大変にご苦労様でした。 岡村 裕
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